子どもはいつか必ず親をこえていくものだ。いま君が何歳なのかは、これを書いている時点ではわからないが、この文章を読める年齢の時点で、すでにいくつかの面で私を超えているだろう。君が気づいているかどうかは、わからないが、子どもと言われる年代であっても、すでにいくつかの分野では、親をこえはじめるものだ。それを私はとても嬉しく思う。子どもに敵わないと思うことほど、嬉しいことはない。
私とすごす日常で、私の言動が一致しないことに矛盾を感じることがあるだろう。普段えらそうなことを言ったり、ここに書いたりしているのに、実際はたいしたことをしていないじゃないかと。君の思うことは正しい。実際そうなんだ!えらそうなことを言っている割に、私はたいした人間ではない。身体に悪いと思っても、甘いお菓子を食べたり、変な色のジュースを飲んだりする。カフェイン中毒と知りつつ、コーヒーばかり飲んでいるのはよく見るだろう。時には仕事をサボることもあるし、君が何か生産的なことをしようとしているのに、遊びに行こうとそそのかすこともあるだろう。そう思うとわるい親だなあ。。。
しかしそういう時こそ、君はまた私を超えつつあるときなのだ。親のアラが見えるということは、成長している証だ。親と同レベルなら、何も感じない。私のことをなんか変だなと思ったら、それはまた君がひとつ成長した証だよ。自分の成長を喜んでほしい。
人間の子どもというのは、とてもか弱い状態で生まれてくる。生まれてから数年の間は、親がいないと生き残ることは難しい。食事を用意して、おむつをかえて、着替えさせて、お風呂にいれて、あらゆる危険から守ってあげることが必要だ。でも少しずつ大きくなるにつれて、だんだん自分でできることが増え、いずれひとり立ちする。君はおそらく身の回りのことはほとんど一人でできるだろう。私に万が一のことがあろうとも、君はもう生き残れる存在なのだ。
いずれ君は私をあらゆる面で凌駕するだろう。本音を言うと、赤ちゃんの頃の君を思い出して少し寂しい気もするが、やはり嬉しさが圧倒的に大きい。子どもが成長するということは、こんなにも嬉しいものなのかと、私も日々実感させてもらっているよ。