古典にヒントがあるかも
生きていると、物事がなんだか上手くいかないこともある。どうすればよいか、解決の糸口が見つからないとき、一つおすすめしたいのが、昔の作品を読んでみることだ。できればもう著者が亡くなっているくらい、昔の作品が良い。ジャンルはなんでもいい、興味がありそうなものや、有名どころがいいだろう。
私の経験
私が高校生のときだったか。何気なく古い作品を読んでいたときのこと。もう100年以上も昔のことなのに、現代とは全く科学技術も、文明も違うのに、人間の悩みは昔から大きくは変わらないことに驚いた。そしてなぜか、妙に安心したのだ。昔の偉い人でも、自分が悩むようなことで、悩んでいるのだと知って。
人間は急には変われない
よくよく考えてみると、100年前から人間を取り巻く環境は、特に科学技術の側面では大きく変わったが、人間そのものは、そこまで変わっていない。というよりそこまで早く適応することが難しい。人体の構造も、人間の心理構造も、数百年の単位ではほとんど変わらないだろう。ゆえに人間が悩み、苦しむようなことも、昔から本質的には変わらない面も多いのだ。
古典はいい作品が多い
昔の作品で、現在も生き残って、語り継がれているということには、それなりの理由がある。時代を超えて生き残っている作品は、優れたものである可能性が高い。そういう意味でも古典はオススメだ。
難しいものでなくていい
しかしあまりに古いと、さすがに読むのに苦労するし、何を言っているのかわからないこともある。そういう場合は、現代語訳でも解説書でもいい。原著にこだわる必要はなく、要するにエッセンスを吸収できれば何でもいいのだ。
またトルストイのように難しすぎる作品をいきなり読もうとすると、イヤになるかもしれないので、初めは気楽に読めるものがいいかもしれない。
迷ったら夏目漱石
私がオススメするのは夏目漱石の作品で、100年以上前でそこそこ古いし、内容も面白いし、難しすぎないので、いいのではないかと思う。
何百年前の作品でも、昔はよかったという描写がある
私が驚いたのは、何の作品かは忘れたが、現代よりも数百年前の作品でも、その中に「昔はよかったなあ」という描写があったことだ。私としては、じゅうぶん昔じゃん、と思ったのだが、その時を生きている人にとってはその時が基準だからね。その描写を読んだときも、少し心がラクになった。人間はいつの時代も、昔を懐かしむものなのだと、本質的には変わらないものなのだと。
なにか迷うときは古典を読もう
本を読んで問題が解決できるとは限らないけど、それでも私のように心が軽くなったり、なにかが自分の中で腑に落ちるときもある。迷ったら古典を手に取ってみるといいかもしれない。