世の中の構造的考察|進路を選ぶ前の君へ

お金を稼ぐ方法

カテゴリー:お金と経済

お金を稼ぐ方法

お金を稼ぐと聞いて思い浮かべるイメージはどのようなものだろう?どこかの会社で働いて、給与をもらうことや、自分で仕事を作って働くというイメージだろうか?実は大人になってお金を稼いで、生計を立てるには、いくつかのパターンがある。

大きく分けると

と分けられる。以下で詳しくみていこう。

働き方の4パターン

①会社で働いて、その対価として、給料をもらう。

これが一番イメージしやすいかもしれない。会社や国などの組織に所属して、そこで働くことで、働いた分の見返りとして、給与としてお金をもらうパターンだ。アルバイトなどもこれに含まれるね。実際に学校を卒業すると、多くの人はこのタイプの働き方を選ぶ。一番メジャーな方法だ。

働いてお金をもらうメリットは、たとえば会社の業績が思わしくない時期も、比較的安定して給与をもらえることだ。昨月は30万円もらえたけど、今月は暇だったから10万円、ということは基本的にない。安定して給与が見込める分、生活が安定しやすい。

またこの形態では、「労働者」として保護を受けられる。特に正規労働者の場合は、非常に強力に国から保護される。実は労働者の権利は思っている以上に強い。労働者を守るように国は制度として設計しているからだ。働き手がいなくなったら、国としては困るからね。

しかしデメリットもある。たとえば君が同僚よりも何倍も功績を上げたとしても、給与が何倍にもなることはないだろう。これは構造的な問題であるが、個人の成果が、給与などの評価に反映しにくいのだ。できる人が、できない人をある程度支えることで、組織として成り立たせる側面があることが原因だろう。

また比較的安定しているといっても、会社が潰れてしまったら、仕事を失ってしまう。もちろん失業保険などの制度もあるが、一定以上の年齢でこのようなことになると、転職は難しいかもしれない。会社に勤めるということは、人生を会社に預けることと等しい。会社と運命をともにする覚悟をしなければならないといえるだろう。

②自分で事業をおこして、自分が働いてお金を稼ぐ。

2つ目は自分で事業をつくって、そこで自分が主になって働くパターンだ。街の個人商店や、フリーランスで仕事を請け負う場合もこちらになる。個人事業で生計を立てる人は、①ほど多くはないが、街を見回してみると意外にいることに気づくだろう。

このパターンのメリットは、もし事業がうまく行けば、利益を総取りできることだ。他の人をフォローする必要もない。自分が成果を出せれば、いくらでもお金は増えていく。また仕事の時間や量をコントロールしやすいという点も意外メリットとなる。

デメリットは、メリットの裏返しで、もし事業がうまく行かないと、お金を稼ぐことができない。事業によっては固定費がかかる場合は赤字になって、むしろ借金を背負う可能性もある。安定性とは程遠い働き方になる。たとえば100万円売上がある月に喜んでいたら、翌月は10万円に減ってしまう、ということもあるかもしれない。

③会社を作って、そこで人を雇い、他の人に働いてもらう。

3つ目は②の発展型で、仕事が軌道に乗った場合にできるパターンだ。人を雇うことで、人に働いてもらい、会社に利益をもたらしてもらう。働いてくれた人には給与を払い、残ったお金を自分のものにするというスタイルだ。この場合、働いてくれる人は①のパターンになるのはわかるね。

これがうまくいくと、君は他の人の仕事を管理するだけで、お金が稼げるようになる。実務は雇った人に行ってもらい、君はその調整を少しするだけでいいから、コストパフォーマンスがよい。また会社を大きくすれば、収入も青天井になり、いくらでも上を狙える。

しかし人を雇い、会社を経営することは、もちろんリスクを伴う。業績が悪くても、社員に給与は支払わなければならないし、会社を潰してしまうと、社員にも取引先にも迷惑をかけて、社会的な信用も失う。チャンスも大きいが、リスクや責任もその分大きくなるだろう。

実は③になると、①、②のパターンとはフェーズが異なる。①、②は君が実際に動いて仕事をしなければならなかったが、③になると人に働いてもらうという点で実は大きく異なるのだ。自分自身が働く以上、受けられる仕事の量や規模に制限があるが、人を雇って多くの人に協力して貰えば、仕事量や規模も大きくすることが可能だ。また扱えるお金も大きくなる。その分、チャンスもリスクも増えるということだ。

④金融資産を保有して、お金に働いてもらう。

これは株式や債券を保有して、その配当金をもらうことで、お金を得る方法だ。株式や、株式の詰め合わせパックである、投資信託、ETFを保有すると、配当金や分配金という名目で、保有する金融資産の何%かをもらうことができる。例えば100万円の金融資産を君が持っていて、配当が年間3%と仮定すると、年間3万円が貰えるということだ。(厳密に言えば税金が引かれる)

しかもこれは金融資産を持っているだけで、何もしなくていい。働かなくても貰えるお金なので、いわゆる「不労所得」と言われるものだ。

この④のタイプは最終段階で、君が働くのでもなく、人を雇って働いてもらうのでもなく、お金に働いてもらうというものだ。資本主義の究極は、お金がお金を生むという世界だ。

4パターンを俯瞰すると

以上の4パターンをみてきたが、これらはこのようにも分類できる。

お金の稼ぎ方を極論すれば、自分が働くか、他の人に働いてもらうか、お金に働いてもらう、の3つに分類できる。①と②はこの観点でみればほぼ同じだ。

世の中を見回してみると、働いている大人はいずれかに分類できることがわかると思う。学校の先生は①だし、一流企業の社員も①だ。上場企業の創業者は③+④だし、資産家は④だろう。医師や弁護士などの専門職も①が多いかな。芸能人は①や②のパターンが多いだろう。

上にもあるように、①だけというのではなく、いくつかのパターンにまたがるのも普通だ。専門職で①の形で高給を得ながら資産形成をしている人は、①+④になる。お金には困っていないから主に④なんだけど趣味で会社を経営してれば、④+③になる。

ちなみに私は個人事業を営みつつ、他の企業で働いて給与も貰っており、また少しだが資産運用も併用しているので、①+②+④となる。主に自分がシャカリキになって働きつつ、資産形成を目指すパターンだ。